Q：施工管理に求められるスキルは？仕事上意識していることを教えて下さい。

A：施工管理に求められるスキルは、安全安心なものづくりに必要な技術力、現場を指揮する統率力、理論的な交渉力、トラブルや急な変更等の想定外への対応力、工事に携わる方々と柔軟なやり取りができるコミュニケーション力が必要です。仕事上意識していることは、挨拶です。相手に伝わる挨拶をすることによって、人間関係がよくなり、コミュニケーション力を高めることができます。コミュニケーション力は、統率力、交渉力、対応力を発揮するために必要不可欠な要素です。

Q：仕事上の忘れられないエピソードを教えて下さい。

A：岩手県沿岸部で担当した道路工事は、東日本大震災の数日前に開通し、津波により近隣の小中学校の生徒が、この道路へ避難し、命が助かりました。津波から逃れたたくさんの生徒たちでしたが、家は流され、国道45号が津波に破壊され、避難所へ行くこともできず、雪の降る中、立ちすくんでいたそうです。そんな時、この道路に避難したダンプトラックの運転手が生徒たちを見つけ、この道路を何往復もし、避難所まで全員運んだそうです。私がこのことを知ったのは、東日本大震災から何年も経ったあとでしたが、自分がつくった道路があの大津波から人を守ったんだと知ると、胸が熱くなり自然と涙があふれてきました。

Q：若手スタッフの成長のために自身が意識していること、または取り組んでいることなどを教えて下さい。

A：若手スタッフの成長には、考える力を身につけることが大事なポイント。生きる上で、仕事する上で『なぜ』『どうして』という様々な疑問が生まれます。このような状況を解決の方向へ導く考え方ができるようになると、問題解決能力が身につき、臨機応変な対応が可能となり、統率力、交渉力、対応力、そしてコミュニケーション力の向上へつながります。考える力を高めるためには、『気づき』が大切ですので、若手スタッフには、『目配り・気配り・心配り』を心掛けるよう伝えています。